一般の工業製品に比べて、福祉用具は高いという印象をお持ちの方・・・多分あまりないと思いますが、一応メーカーとして言わせてください。
一般の工業製品は、その歴史も長く、使用の対象が多数おられることから、製造数が多く、結果コストを抑えることができます。一方福祉用具は、最近でこそ高齢者の人数が増え、使用の対象が増えつつありますが、それでも例えば福祉用具では一般的な車いすは、65歳以上になれば使用するということであれば、台数も相当なものになりますが、実際は多くて65歳以上の10人に1人くらいではないでしょうか。しかも車いすメーカーは何社もあり(海外製も含め)それぞれがシェアをわけることになります。
そうなると、1社の年間製造数はそれほど多くないことがご理解いただけると思います。でも、他社が新製品を出すのに、自社はずっと同じわけにもいかず、技術革新も探る必要があるので、研究開発費はかかり、広告宣伝費も莫大です。それらを利益の中から捻出しなければならず、結果1台当たりの単価が高くなってしまうわけです。
そこで、ユニバーサルデザイン化して、使用の対象を増やすことで、コストを下げる工夫も各社されていますが、その特殊性からなかなか進まないのも現実です。イメージ的にはオーダースーツをセミオーダースーツにすることでコストを下げるみたいな。
もし、福祉用具の価格に疑問を持たれたら、是非質問してみてください。