認知症徘徊感知機器という言葉を聞いたことがあるでしょうか。このコラムを読んでくださっている方の中でもご存じない方も多いと思います。福祉用具の中で一番マイナーな機器で、iTSUMOも認知症徘徊感知機器になります。
以前、愛知県で起こった鉄道事故で、最高裁判決までもつれて結局無罪で落ち着いた案件は記憶にある方も多いと思います。あの案件でも実はこの認知症徘徊感知機器を使用されていました。でも、玄関の出入りに反応、頻繁に作動することでご家族がうんざりして電源を抜いていたのだそうです。そんな経緯がありこのご利用者は一人で線路に入り衝突事故が起こったということです。
さて、ここで問題は、認知症徘徊感知機器が機能していないということです。もしGPS型の機器であったら・・・もし踏切の手前で警告があれば・・・もし遠方のご家族にも警告が行っていれば・・・などなど
実は、介護保険制度は2000年から始まりましたが、家の外へ出た時の想定がなく、介護保険では家の外での介護は認められていないのです。 今、高齢者の徘徊が社会の問題としてこれだけ大きくなってきており、今後法律の改正も視野に検討していただきたいです。