2000年に介護保険制度が始まり、私は専門学校で「将来、アメリカのように介護も契約の時代が来るよ」と教わりつつ措置時代から介護に携わっていますので、介護保険制度が始まる際にも良し悪しをいろいろと実地で勉強させていただきました。
「措置」から「契約」今では当たり前ですが、当時は画期的でした。私の家に祖母が同居しており、足が悪かったので、家のお風呂に入れなくなりデイサービスをお願いしました。その時も家の中では大ゲンカです。「福祉の世話になるなんて恥だ」と父親。お風呂に入れてあげたいけど家のお風呂では限界の母親。介護の勉強を専門学校でしていたので、福祉サービスには抵抗の少ないわたし。結局父親を説得しデイサービスの申請となったわけですが、市役所で言われたのは「A事業所に月2回、入浴だけで行ってください」でした。え?となりましたが、当時のデイサービスセンターは数が少なく、特に足の悪い祖母などは特浴(機械浴)になるので空きがないとのことでした。
結局それ以外の日は清拭をすることになり、おかげで就職前から熱いお湯には強くなりました。(清拭をする際はどうしてもタオルが冷めるのが早いので熱湯を使って上手に絞るテクニックがあるのです)
介護保険が始まる前に祖母は亡くなり、結局いいサービスを受けさせてあげることはできませんでしたが、おかげでいい勉強をさせていただきました。
今、介護保険が一般的になったことで、それでも利用をためらっておられる方がたくさんいる現状を見るにつけ、いつも当時の我が家のぐちゃぐちゃ感を思い出し、専門職としてどうしたら利用のハードルを下げることができるのかと悩む日々です。