GPS型認知症徘徊感知機器iTSUMO(いつも)のメーカーとして10年経過しました。
これまでに約3万人の方がご使用になり、少しは行方不明対策に貢献できたかなと考えています。
そこで、これまでに実際どこにGPSを設置したのか「GPS端末 設置場所ランキング」を発表したいと思います。
まずは第100位から・・・っと第1位にたどり着くまで読んでもらえるかな・・・。でも実際十人十色、いろんな工夫をされているんです。
というわけであらためて、第5位から1位を発表していきます。
GPS端末の設置場所!第5位 自転車
結構多いのが自転車に取り付ける方です。
徘徊というと徒歩をイメージされる方が多いかと思いますが、自転車で移動される方も多いです。
毎回、ほぼ自転車で外出されるケースでどうしても何も持たずに出られる場合など、自転車に設置することが結構あります。
GPS端末の設置場所!第4位 キーホルダー
安定のキーホルダーですね。
鍵は持って出るという方が多いので、そこに取り付けておくという方法です。
iTSUMO(いつも)はキーホルダー用のフック?もついていますし、BOXタイプのカバーに入れてから鍵につけておられる方もおられます。
GPS端末の設置場所!第3位 お守り
お守り袋を普段から身に着けていない方であっても、お守りは大切に扱ってもらえますので、紛失は意外と少ない設置場所です。
ただ、知らない間に神棚に置かれていたことも・・・!
GPS端末の設置場所!第2位 カバン
お気に入りのかばんがある方は内ポケットなどに忍ばせておくという設置方法です。
ただ、中身を全部出してしまう方の場合は、内ポケットにも工夫が必要です。
番外編
- 自動車
- 近年、高齢者が運転する車の事故や、免許証の返納が話題となっていますが、免許証を返納しても車に乗るスキルはありますので、乗ってしまうんですね。そこで、車にあらかじめセットしておき、いざという時には警察に情報提供を行うことで事故を起こす前に保護してもらいます。
- 杖
- 意外と番外編にランクされるのが杖です。われわれも推奨はしません。なぜなら、忘れて帰ってくる可能性が高い持ち物だからです。4点杖などの「これがないと歩けない」という杖ならいいのですが、おしゃれ杖などは、駅の忘れ物コーナーにどれだけ届けられているか・・・
- 帽子
- これはわたしも何度か相談を受け、挑戦してみたのですが、今のところ難しいという結論です。まずはサイズ感(特に重さ)ですね。現行GPSの端末サイズでは、どうしても軽い帽子に設置すると重さを感じてしまいます。メキシコの帽子とかなら問題ないのですが・・・。
お待たせしました第1位の発表です。
GPS端末の設置場所!第1位 靴
不動の第1位はやはり靴です。それもiTSUMO(いつも)の場合、専用のカバーを用いて普段履きの靴の甲部分に設置しています。
なんと、この方法での使用者が全体の6割になります。やはり何も持たずに出かけてしまう方が多いこと、お気に入りの靴があって、そこに設置したいと思っている方が多いことなどがあると思います。
カバーが靴の甲にポコッと出ますので、見た目には違和感を持たれる方ももちろんおられます。しかし、履き心地がいつもと一緒であることで、見た目を気にされない方や、そもそも玄関にこの靴しかない状況を作るなどの工夫をすることで履いてもらえています。
最近はiTSUMO(いつも)専用シューズの使用者も増えており、さらに靴への設置率が上がっている状況です。
最後に
さて、今回は「GPS端末 設置場所ランキング」をお届けさせていただきました。
みなさんそれぞれに、設置する場所や方法は工夫をされており、同じ設置場所でも利用者に伝えて渡すのか、こっそり設置するのか、誰がどうやって伝えるのかカバーを使用するときにも、そのまま使うのか、色を塗るなど気に入ってもらえる工夫をするなどしていただいています。

GPSは持ってもらえなければ意味がありません。いくら高性能な「デジタル機器」であっても、使うのは「アナログな人」なんです。このデジタルとアナログをうまく融合させることこそ、この先未来の介護だと思っています。また意外な場所での使用例が見つかったときにご紹介させていただきます。

資格:介護福祉士・介護支援専門員・福祉住環境コーディネーター2級
措置時代から介護業界で働き(アラフィフ)、介護保険制度施行後もずっと介護現場に携わってきている。特別養護老人ホーム・有料老人ホーム・グループホーム・通所介護(デイサービス)・小規模多機能型居宅介護・居宅介護支援(ケアプランセンター)・福祉用具貸与での勤務経験を有し、介護事業所の立ち上げに数件参画。
現在は福祉用具の企画コンサルタントとして、新商品の開発などに携わる傍ら、これまでの介護現場の経験をもとに、介護の楽しさややりがいなどを伝えていきたいと考えている。
研修:認知症介護実践者研修・認知症実践介護リーダー研修・認知症対応型サービス事業管理者研修






そこで、2070年の日本をイメージしてみましょう。夫婦と子供1人の世帯を基準で考えると夫婦の両親が4人とも健在とすると、そのうち3人は介護が必要な状況ということになります。
さて、暗い話はここまでにして、どうすればよいかを考えてみたいと思います。
認知症についてはさらに難しい問題があり、高齢者の28%が認知症になるとの統計もあり、患者数は約1,000万人を超えます。
機器によって防水性能は異なりますが、それ以上の水圧等がかかると内部に水が浸入し、ショートを起こし基盤を破損します。内部を乾燥させれば稀に復活することもあるのですが、一度浸水すると金属がさびてしまい、何か月か後に壊れるということもあります。
これは靴底に格納するタイプの靴での使用や、ズボンの後ろポケットに入れていてお尻で踏んだり、誤って踏みつけてしまったりすることで、内部の基盤が損傷し物理的に壊れてしまいます。これも稀に完全に割れていないなどで復元し、復活することもあるのですが、いつ壊れてもおかしくない状態です。
衝撃についてですが、これは説明不要かと思いますが、スマホも落としたりすると壊れるのと同じです。
最後に保証温度以外での使用についてですが、これもGPS機器によって保証温度帯は変わるのですが、氷点下10や20から50や60度程度までが保証範囲となっていることが多いです。範囲外で使用すると極端に性能が落ちたり、動かなくなったりする可能性があります。
故障についてはソフトの故障もあります。
一番被害が大きなものは、通信キャリアの障害です。最近ではauが数日間通信できないという事案が発生していましたが、同様のことが起これば、GPS機器も位置がわからない状況になります。
また、太陽フレアという磁気嵐のようなものが地球に届くとGPSの位置が狂うという自然現象もあります。



掃除や片づけをしなくなり、家の中が散らかるようになった。不要な物を「もったいない」と言って捨てられなくなったり、冷蔵庫に古い食べ物や同じものがいっぱい入っているなど、これは計画的に整理する力や、物の位置を覚える力が低下するために起こる変化になります。
同じ服をずっと着ていたり、真冬にTシャツ一枚など来ている服に季節感がないかったり、お風呂にはいらなくなったりしてくる。これは着替えるのが面倒くさかったり、手順が思い出せないことが原因で起こる変化になります。
火をつけてそのままにして外出をしてしまい、鍋を焦がしてしまうことが多くなったり、料理の手順を間違えることで食事の味がおかしくなったり、毎日同じものを食べている、これは段取りを考える力や注意力が低下することで起こる変化になります。
レジでの支払いに多くの時間をかけたり、光熱費や家賃の支払いを忘れたり、訪問販売で買ったものが多くなったりとお金の管理がうまくできなくなってきた。これは小銭の計算ができなくなったりと金銭の管理に対する思考や判断力が低下することで起こる変化になります。
鍵・財布・携帯など何かしらをいつも探していることが多くなった、物を冷蔵庫や引き出しなど、意外な場所にしまってしまうなど、これは記憶のズレにより、行動と場所の対応がうまく取れなくなることで起こる変化になります。
同じ話を何度も繰り返す。昼夜逆転で夜に活動するようになった。外出や人づきあいを避けるようになったなど、他にも認知症の前兆はありますが、上記のようなご家族の変化や普段と違う違和感を早い段階で察知されたら、一度お医者さんにご相談いただき、見守りGPSの導入をご検討されることをおすすめします。













玄関などに設置して外出したことが分かる徘徊感知機器です。敷くだけでOKなので、設置が簡単です。マットを踏むことでセンサーが反応しますので、玄関だけでなく、部屋の出入口に複数設置することで徘徊の動線をピンポイントで見守りできます。逆にいうとマットが敷かれていない別の通路から出入りしてしまったり、避けられることも多く、その場合反応しないので、外出や移動したことが分からないということもあります。また、誰が踏んでも反応してしまう欠点もあります。もちろん、外出した後は追跡できません。設置コストは比較的低めです。
赤外線センサーを出入り口などに設置することで、外出や部屋への出入りを感知します。マットセンサーの様に床に設置しないため、転倒リスクや見た目の違和感が軽減されます。設置場所を考えることで間取りによっては広範囲をカバーすることもできますが、逆に言うと壁や家具に遮られてカバーできる範囲が狭まることもあります。マットカバー同様に外出した後は追跡できません。設置工事が必要な場合があり、導入するのにマットセンサーよりコストがかかることも。
おうちの玄関や部屋に設置することでご高齢者の様子をリアルタイムでスマホなどから見守ることができるだけでなく、動きを検知してスマホなどに通知してくれる機能やカメラを通して話しかけられる声掛け機能を装備した機種もあります。当然ですが、カメラが届かない場所では見守りできないので、住居の複数の部屋にそれぞれ設置する必要がある場合もあります。性能もピンキリで数千円から数万円台と価格帯も幅広なので、注意して購入することをお勧めします。屋内カメラですので外出後の追跡はできません。
GPS、Bluetooth、Wi-Fiなどの通信を利用して位置を把握することができる小型の通信機です。ご家族や介護される方が専用アプリを使って、居場所や移動履歴をリアルタイムに確認することができるのですが、認知症の徘徊対策として開発されたものではないので、機能的に徘徊の見守りに向いていないものもあります。Bluetooth、Wi-Fiで通信することもあり、場所によっては電波が届かないこともあります。屋内や地下では検知位置が不正確なことも。見守りカメラのように屋内の現状は分かりません。
衣類や持ち物に貼り付けるQRコードが印刷されている小さなシールです。徘徊の予防やリアルタイムでの位置情報を知るというよりも道に迷ったり、徘徊して警察などの第三者がQRコードを読み込むことで登録された連絡先や本人情報が表示されるというアイテムです。無料で配布している自治体もあります。貼るだけなので、準備も導入コストも少ないのが嬉しいですが。前述の通り、予防や現状の把握はできないので、他のアイテムと比べると不安な面もあります。
GPS通信を利用してスマホやPCなどからリアルタイムで位置を把握することができる小型の通信機です。認知症の徘徊対策専用に開発されていますので、電池残量通知やブザー鳴動機能といった徘徊対策ならではの機能も実装しています。GPS通信ですので、スマートトラッカーに比べると通信可能範囲も広く、位置精度も正確なことが多いです。また機種によっては自治体の補助が受けられたり、福祉用具レンタル品として介護保険が適用されるものもありますので低コストで福祉用具店のサポートの元、安心して見守り体制構築ができます。
・位置情報の確認:スマホアプリから親など利用者の居場所を確認できます。
1.日常生活の見守り
・本人への説明:後々のトラブルを避けるために「お孫さんからのプレゼント」「安心のお守り」など、前向きな理由を説明してGPSを身に付けてもらうことが大切になります。
・地元のケアマネージャーさんや民生委員などの協力者を作る。


