私の祖父は明治生まれで、戦争では陸軍として満州に行っていたそうです。ただ、私が小さいころに亡くなりましたので、戦争の体験は直接聞いたことがありませんでした。
でも、老人ホームに就職してから、戦争体験のある方がまだたくさんおられましたので、それぞれの戦地での様子や、日本国内のその当時の様子、激戦地からの帰還された方、満州から終戦後に戻ってこられた方など、本当にいろいろ聞かせてくださいました。
一番印象に残っているのは、重度の認知症で、ご家族の顔も間違える方でした。この方は海軍に所属しておられ、当時駆逐艦の信号手をされていたそうです。
私に熱心に手旗信号を教えてくださいました。その時の目のキラキラが今も忘れられません。
戦争は良くないことです。認知症になっても忘れない強烈な印象だったんだろうな、とか、年齢を考えると20歳前後のはずですので、青春を戦争に捧げることになった不幸なんかを考えさせられました。でも、生き残って、こうして伝えていただけたことで、また次につながっていくということも実感し、私もつないでいかないといけないと、改めて感じました。