近年若年性アルツハイマーの方が、ご自身のことを語られることが増えてきており、とても良いことだと思います。
やはり「知る」ということが一番大切で「無知」から偏見や差別が生まれると考えていますので、こうして発信していただくことで、病気としてしっかり理解し、どう対応すればいいのか(実際はどうもしなくて普通に接することなんだと思うのですが)わかってくるのだと思います。
そんな中で、GPSの存在について、以前は管理や監視されるといった感情を持たれていた方が多く、抵抗感をお持ちだったのですが、最近は、積極的に活用することで、いざという時の「お守り」になるという評価をいただくようになってきました。
実際、若年性アルツハイマーの方は見た目にももちろんお若いですし、お困りであることが周りからは分かりにくい、つまり声をかけにくい雰囲気の場合が多いです。
そんな時、ご自身で、SOSを発信するためのツールとして、そして、ご家族がお迎えに行けるツールとしてGPS端末は非常に有効だと思っています。
よく「携帯電話があればGPSなんていらないのではないか?」というご意見をいただきます。その通りなんです。今は携帯電話にもGPSが内蔵されているので、位置情報を知ることができます。ただ、どうしても所持を忘れてしまう。そんなときのお守りとしてGPS端末なんです。保険のようなイメージをしていただくとわかりやすいと思います。
ともかく、認知症の方が、積極的に外出できるような社会が理想的だと考えており、そのためにGPS端末を積極的に使用する。そういう選択をしていただければ嬉しいです。