「おじいちゃんどこいくの?」
「・・・」
もともと口数が少なかったお義父さん、最近、外出する機会が増えていて、帰ってくるとズボンがすごく汚れていたり、靴がすぐにボロボロになったり・・・なんだか依然と様子が違っているように感じています。
そんなご相談を受けました。
身近な方が認知症になって徘徊が始まるという想定は通常していないと思います。
しかも、身近であればあるほどその変化に気付くのが遅くなる傾向があります。
そこで逆にご質問を差し上げます。
「お出かけされる頻度は?」
「その時所持品は?」
「外出中に外で出会ったことはありますか?」ある場合「どのような表情でした?」
例えば、
・家に戻ってもまたすぐに出かけるなど、家にいてもそわそわしている場合
・携帯や鍵・財布など持たずに出かける場合
・外で出会って別人のような表情をしている場合
などは認知症の可能性もあるので、一度専門医に受診されることをオススメします。
そのうえで、上記に当てはまる場合、GPS端末(iTSUMOを含む)の使用を検討していただきます。
あれ?っと思ったら、まずは認知症の受診に
認知症の診断を受けることは、とても恐ろしいと考えられる方も多いのですが、現在は早期診断により進行を遅らせる方法もたくさんありますので、怖がらずに受診してください。
認知症や徘徊の介護相談ができる場所の確保
次に、具体的に介護の相談をできる場所の確保が必要です。
一番は担当になっていただくケアマネジャー様になるのですが、市役所や地域包括支援センター、主治医など相談できるところはたくさんあります。
上記の方は弊社にご相談をいただき、わたしが回答をさせていただきました。
こういう風に、いろんな人に相談されることが良いと思います。
もちろん最終判断はご本人とご家族という事になるのですが、判断材料となる情報は多い方が良いですので、とにかくいろんな人に相談してください。
認知症とは?
ところで、認知症とは何なのか・・・?
認知症は、脳の病気や障害など様々な原因により、認知機能が低下し、日常生活全般に支障が出てくる状態をいいます。「認知病」ではなく「認知症」(症状)という事です。
日本における65歳以上の認知症の人の数は約600万人(2020年現在)と推計され、2025年には約700万人(高齢者の約5人に1人)が認知症になると予測されており、高齢社会の日本では認知症に向けた取組が今後ますます重要になります。
「加齢によるもの忘れ」と「認知症によるもの忘れ」の違い(一例)
加齢によるもの忘れ | 認知症によるもの忘れ | |
体験したこと | 一部を忘れる (例:朝ごはんのメニュー) |
すべてを忘れている (例:朝ごはんを食べたこと自体) |
学習能力 | 維持されている | 新しいことを覚えられない |
もの忘れの自覚 | ある | なくなる |
探し物に対して | (自分で)努力して見つけられる | いつも探し物をしている 誰かが盗ったなどと、他人のせいにすることがある |
日常生活への支障 | ない | ある |
症状の進行 | 極めて徐々にしか進行しない | 進行する |
ただし、上記は目安で実際には認知症の方も、もの忘れの自覚がありますし、新しいことも覚えることができます。(認知症でも最新の演歌をバッチリ覚えた方もいます♪)
ご家族が取るべき行動
次に、ご家族が取るべき行動についてお伝えします。
・とにかく早急に専門医への受診
・ケアの専門家に相談
・利用できる介護サービスは積極的に利用
・気分転換ができる時間を作る(自分だけの時間の確保)
特に4つ目、気分転換はとても大事で、介護は長丁場になるケースが多く、介護者の健康(心の健康も)が最も重要となります。
何か悩みがあれば、弊社にご相談いただいても大丈夫です。是非ご連絡いただければと思います。
資格:介護福祉士・介護支援専門員・福祉住環境コーディネーター2級
措置時代から介護業界で働き(アラフィフ)、介護保険制度施行後もずっと介護現場に携わってきている。特別養護老人ホーム・有料老人ホーム・グループホーム・通所介護(デイサービス)・小規模多機能型居宅介護・居宅介護支援(ケアプランセンター)・福祉用具貸与での勤務経験を有し、介護事業所の立ち上げに数件参画。
現在は福祉用具の企画コンサルタントとして、新商品の開発などに携わる傍ら、これまでの介護現場の経験をもとに、介護の楽しさややりがいなどを伝えていきたいと考えている。
研修:認知症介護実践者研修・認知症実践介護リーダー研修・認知症対応型サービス事業管理者研修