介護の現場のイメージってどんなでしょうか?
よく言われるのが「きつい」「きたない」「給料が安い」あとなんでしたっけ?とにかく今どきのテレビみたいに「何K」って言われています。
でも実際は、事務作業と頭脳労働の部分が大きく、単純肉体労働はそれほど大きなウェイトではないのです。ここが一番実際とイメージが違う事ではないかと思います。
介護のお仕事、実は事務作業と頭脳労働のウェイトが大!
特に、認知症が一般的になってからは顕著ですね。介護するうえで一番考えることが「残存能力の有効活用」です。
これは、ご利用者の力を正確に把握し、ご自身でできるところはできるだけしていただき、難しい部分「だけ」サポートをするということです。
認知症の方は、方法を忘れていても、身体能力的にはできることが多いので、その能力をどうやって引き出すか。そこがプロの腕の見せ所です。
また、徘徊に対してのかかわりなど、ご利用者に安心してもらえる空気感を出すとか、なかなか頭脳労働が多く、それらをうまく文章にまとめ、チームで共有しないと個人プレーでは介護現場は回りません。
認知症徘徊を見守るのもチーム作りが大切!
例えば、認知症徘徊を見守るGPS iTSUMO(いつも)をご利用いただいている場合、徘徊されるご利用者に(外に行っては)「ダメですよ」的な声掛けは一切行う必要はありません。
万が一外出されても、位置を探す役割の職員が常に位置を把握しておき、迎えに行く役割の職員が良いタイミングでお迎えに行くだけです。このタイミングがプロなんです。
つまり、良いチームで良いケアを行っている介護現場ほど、単純肉体労働は少なく、そういう意味での「きつい」はあまり感じないものです。
現役介護職の方や、これから介護職を目指す方へ
わたしの経験では、介護を初めて数年ではこういうことが分からずに、力ずくの介助であったり、チームケアの重要性がわからずに、自分勝手に考えて介護していた記憶があります(ごめんなさい)
ただ、難しいポイントは、チーム全体でこういう考え方を共有することが必要だということです。ですので、あまり大人数のチームを組むと意思の疎通が難しいかもしれません。
そういう意味では、グループホームやユニットケア、小規模多機能なんかがやはり優れたチームを作りやすいように思います。
現在、現役介護職の方や、これから介護職を目指す方にはぜひ覚えておいていただきたい。介護は頭脳労働ですので、体力だけでなく事務処理スキルも必要ですので・・・。
資格:介護福祉士・介護支援専門員・福祉住環境コーディネーター2級
措置時代から介護業界で働き(アラフィフ)、介護保険制度施行後もずっと介護現場に携わってきている。特別養護老人ホーム・有料老人ホーム・グループホーム・通所介護(デイサービス)・小規模多機能型居宅介護・居宅介護支援(ケアプランセンター)・福祉用具貸与での勤務経験を有し、介護事業所の立ち上げに数件参画。
現在は福祉用具の企画コンサルタントとして、新商品の開発などに携わる傍ら、これまでの介護現場の経験をもとに、介護の楽しさややりがいなどを伝えていきたいと考えている。
研修:認知症介護実践者研修・認知症実践介護リーダー研修・認知症対応型サービス事業管理者研修