グループホーム事業の呼称の変遷
その昔1997年に「痴呆対応型老人共同生活援助事業」として制度化され、介護保険制度が始まり2000年に「痴呆対応型共同生活介護」と変わり、「痴呆」から「認知症」に呼び名が変わったタイミングで「認知症対応型共同生活介護」と変わりました。
グループホームの雰囲気
認知症の方ばかりが生活している場所ってどんなところ?と思われるかもしれませんが、職員がサポートしますので、苦手な部分はケアしながら、ご利用者は自分の役割をもって、楽しく生活されています。
わたしはいろんな事業を経験させていただきましたが、グループホームが一番性格にあっていたように思います。一言でいうと「のんびりした空気感」なんです。
職員はもちろん直接介護以外にも業務がありますから、のんびりというわけではありませんが、ご利用者と会話をしながら平和な一日が過ぎていく・・・。これは伝わらんな(^^;)・・・。
ともかく、ご利用者の人数も9名1ユニットなので、比較的少人数で、職員も日中の出勤者が3人とかなので、みんなで助け合いながら家族のような雰囲気で毎日過ごします。
・・・とこれは、そういう空気感が出来上がったあとのグループホームです。そうなるまでのグループホームは結構シビアな雰囲気です。
介護をプロに任せると
グループホームに入居されるご利用者は「ほぼ」在宅生活をされていた方で「ほぼ」認知症の進行からご家族との関係が悪くなり、ギスギスした家族環境のまま入居されます。
われわれ職員は、入居されたその日から、この家族環境の修復を長期目標に立て、そのために短期目標として、ご利用者の笑顔を取り戻すことを最重要と位置付け、超積極的アプローチを行います。
しかし、実際に落ち着いた状況になるまでにはいろんなことが起こります。徘徊され施設から知らない間に出てしまう方もおられました。当時はiTSUMOなどの認知症の徘徊を見守るGPS機器もありませんでしたから、山狩りをしたこともあります。
そんなこんなのすったもんだの末、ご利用者に少し余裕が見えるようになると、面会に来られたご家族に少しずつ変化が見られます。
介護をプロに任せるというのはこういうことで、ご家族は以前のような良好な家族関係で面会にきていただければそれで良いのです。
なかには、家族関係が修復したことで在宅復帰された方もおられます。それはそれはうれしい瞬間でした。
資格:介護福祉士・介護支援専門員・福祉住環境コーディネーター2級
措置時代から介護業界で働き(アラフィフ)、介護保険制度施行後もずっと介護現場に携わってきている。特別養護老人ホーム・有料老人ホーム・グループホーム・通所介護(デイサービス)・小規模多機能型居宅介護・居宅介護支援(ケアプランセンター)・福祉用具貸与での勤務経験を有し、介護事業所の立ち上げに数件参画。
現在は福祉用具の企画コンサルタントとして、新商品の開発などに携わる傍ら、これまでの介護現場の経験をもとに、介護の楽しさややりがいなどを伝えていきたいと考えている。
研修:認知症介護実践者研修・認知症実践介護リーダー研修・認知症対応型サービス事業管理者研修