認知症徘徊見守りの変遷と見守りアイテム

今回は認知症で徘徊傾向のある方を見守ってきた歴史と今後の展望についてのお話をさせていただきます。

認知症徘徊見守りの歴史

『認知症』が『痴呆』や『ボケ』と言われていたころ、見守りはとても難しく、しかも近所に知られて恥ずかしい(家の恥になる)という考え方が一般的で、鍵をかけて家から(部屋から)出られないようにしたり、精神病院へ入院させたりと今から考えると『人権』のかけらもないようなことを当たり前に行ってきたという歴史があります。
でも、忘れてはいけないのは、ほんの20年から30年前まではこれが当たり前だったという点です。実際にわたしも仕事をはじめたころ(介護保険開始前)にはまだ見られた光景でした。
そこから時代は進み、人権意識も高まり、認知症への理解も進み、高齢者の虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律いわゆる高齢者虐待防止法の施行により介護現場にも大きな変化が生まれます。

閉じ込めることは「悪」とされ、出ていく事を止めることは『虐待』であると認識されたのです。
その結果は、批判を恐れずに書くと、介護者の疲弊が待っていました。それはそうです。画期的な対策ができたわけでもなく罰則だけ厳しくなったわけですから。

見守りアイテムの登場

さて、科学技術が指をくわえてみていたのかと言うと、そうではありません。下記のようないろんなアプローチが誕生しました。

・マットセンサー
マットセンサーのイラスト玄関などに設置して外出したことが分かる徘徊感知機器です。敷くだけでOKなので、設置が簡単です。マットを踏むことでセンサーが反応しますので、玄関だけでなく、部屋の出入口に複数設置することで徘徊の動線をピンポイントで見守りできます。逆にいうとマットが敷かれていない別の通路から出入りしてしまったり、避けられることも多く、その場合反応しないので、外出や移動したことが分からないということもあります。また、誰が踏んでも反応してしまう欠点もあります。もちろん、外出した後は追跡できません。設置コストは比較的低めです。

・赤外線センサー
赤外線センサーのイラスト赤外線センサーを出入り口などに設置することで、外出や部屋への出入りを感知します。マットセンサーの様に床に設置しないため、転倒リスクや見た目の違和感が軽減されます。設置場所を考えることで間取りによっては広範囲をカバーすることもできますが、逆に言うと壁や家具に遮られてカバーできる範囲が狭まることもあります。マットカバー同様に外出した後は追跡できません。設置工事が必要な場合があり、導入するのにマットセンサーよりコストがかかることも。

・見守りカメラ
見守りカメラのイラストおうちの玄関や部屋に設置することでご高齢者の様子をリアルタイムでスマホなどから見守ることができるだけでなく、動きを検知してスマホなどに通知してくれる機能やカメラを通して話しかけられる声掛け機能を装備した機種もあります。当然ですが、カメラが届かない場所では見守りできないので、住居の複数の部屋にそれぞれ設置する必要がある場合もあります。性能もピンキリで数千円から数万円台と価格帯も幅広なので、注意して購入することをお勧めします。屋内カメラですので外出後の追跡はできません。

・スマートトラッカー
スマートトラッカーのイラストGPS、Bluetooth、Wi-Fiなどの通信を利用して位置を把握することができる小型の通信機です。ご家族や介護される方が専用アプリを使って、居場所や移動履歴をリアルタイムに確認することができるのですが、認知症の徘徊対策として開発されたものではないので、機能的に徘徊の見守りに向いていないものもあります。Bluetooth、Wi-Fiで通信することもあり、場所によっては電波が届かないこともあります。屋内や地下では検知位置が不正確なことも。見守りカメラのように屋内の現状は分かりません。

・QRコードシール
QRコードシールのイラスト衣類や持ち物に貼り付けるQRコードが印刷されている小さなシールです。徘徊の予防やリアルタイムでの位置情報を知るというよりも道に迷ったり、徘徊して警察などの第三者がQRコードを読み込むことで登録された連絡先や本人情報が表示されるというアイテムです。無料で配布している自治体もあります。貼るだけなので、準備も導入コストも少ないのが嬉しいですが。前述の通り、予防や現状の把握はできないので、他のアイテムと比べると不安な面もあります。

・認知症徘徊対策GPS
認知症徘徊GPSのイラストGPS通信を利用してスマホやPCなどからリアルタイムで位置を把握することができる小型の通信機です。認知症の徘徊対策専用に開発されていますので、電池残量通知やブザー鳴動機能といった徘徊対策ならではの機能も実装しています。GPS通信ですので、スマートトラッカーに比べると通信可能範囲も広く、位置精度も正確なことが多いです。また機種によっては自治体の補助が受けられたり、福祉用具レンタル品として介護保険が適用されるものもありますので低コストで福祉用具店のサポートの元、安心して見守り体制構築ができます。
iTSUMO(いつも)も自治体の補助、介護保険が適用される自治体が多数ございますので、是非一度お問い合わせ下さい

各社それぞれに創意工夫を凝らし、見守り性能の向上を図って現在に至っております。しかし、今のところ、各機器には得意不得意があり、万能といえるものは開発されていません。
例えば万能のように見えるGPS機器も、屋内での測位は苦手なので、屋内の行動把握が必要な場合はGPS機器以外の見守り機器の導入が必要となります。

将来の見守り機器はどうなる?

そして将来の見守り機器についてです。ここからは私見なので責任のない情報ですいませんが、本体の形状は数センチサイズの「シート状の機器」になっていて、これを服や靴などの持ち出す「何か」に取り付け(貼り付け)ます。送受信は全天球型基地局で行い、電波が届かない場所がなくどこにいても居場所を特定できます。また、心配される「充電」は振動があることで自然に充電ができる(腕時計のように)。さらに、脳波通信が可能で、会話もできる・・・。
そんな技術が実用されるまでおそらくまだ10年以上かかります。それまではアナログとデジタルの融合で見守りができる方法で乗り切りましょう。

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