今回は認知症高齢者のお散歩(徘徊)を見守るGPSを選ぶ時のポイントについてお話をさせて頂きます。
GPS通信で居場所が分かれば何でも良いのか?
まず、はじめに、GPS機器であればどんなものでも良いのか?と言えば、NOです。これは断言できます。
認知症高齢者の「徘徊」は、実は「散歩」である。この認識が少しずつ浸透してきているように感じます。具体的にどういうことか説明すると、家を出るときには目的をもって出かけているのですが、(その目的自体が過去の出来事などの場合も多いのです)外出先で目的を忘れてしまい、帰路もわからなくなってしまった状態が「徘徊」と言われる状況です。
本人は「徘徊」になると誰かに助けてもらいたい気持ちになっているのですが、「散歩」のうちは声をかけられても「うるさい」と思ってしまうことが多いです。そこで、声をかけるタイミングは「徘徊」に変わってからがよいのです。
しかし、そんな都合よく「散歩」が「徘徊」に変わるタイミングがわかる方法があるのか?と思われるかと思いますが、あるのです。それがGPS型徘徊感知機器です。
そこで今回は、GPS機器選びのポイントをご紹介したいと思います。
GPS選び 10のポイント
- ポイント1:大きさ
大きさはどのくらいか・・・そもそも持って出てもらえなければ意味がありません。所持方法も提案しているメーカーのものを選ぶ方が良いでしょう。
※iTSUMO(いつも)の場合、普段履きの靴の甲部分に専用のカバーで取り付ける方法、もしくはオリジナルの専用シューズを販売しています。- ポイント2:充電の頻度
電池の持ちはどのくらいか・・・GPS端末は充電式である場合が多く、機器によって持ち時間が大きく変わります。2,3日のものもあれば1か月以上持つものもあります。充電がどのくらいの頻度でできるかも考えながら選ぶのが良いでしょう。
※iTSUMO(いつも)の場合、使用頻度にもよりますが、1週間程度持ちます。- ポイント3:防水性能
防水性能はどのくらいか・・・靴につけることや雨に濡れることも想定されるため、防水性能は重要です。これも機器によって大きく変わりますので、より防水性能の高い機器を選ぶのが良いでしょう。
※iTSUMO(いつも)の場合、防水・防塵性能は国際基準の最高IP68という完全防水・完全防塵性能を有しています。- ポイント4:通信方法
通信方法はどうなっているか・・・GPS機器なので通信環境はあまり関係ないように思われるかもしれませんが、重要な要素です。GPSからの電波は一方通行ですので、位置情報の測位をすると、その情報をサーバー(経由でスマホ)に送らないといつまでたっても位置情報が届きません。その送信時に使用するのが通信(通常は4G LTE回線)になります。より使用エリアの広い機器が良いでしょう。
※iTSUMO(いつも)の場合、NTTドコモの4G LTE回線を使用していますので、全キャリアの中で最も広いエリアをカバーしています。- ポイント5:エリア設定機能の有無
エリア設定機能があるか・・・「散歩」から「徘徊」に変わるタイミングをはかるのに、「いつも行く場所」という要素が重要になってきます。「いつも行く場所」よりも遠くに行った場合、「徘徊」とみなすことができ、その通知を受け取ることができる機能があるかどうかが重要です。「いつも行く場所」がわかっている場合などは、エリア通知機能ありの機器を選ぶのが良いでしょう。
※iTSUMO(いつも)の場合、エリア通知機能として、最低100mから最大10㎞までの円を描くことができ、出たとき・入ったときの設定が50箇所まで可能です。ただし、あまり使いすぎると「見守り」ではなく「監視」になる恐れもあり、最低限必要な情報だけを得る使用法をおススメしています。- ポイント6:アプリの使いやすさ
アプリが使いやすいかどうか・・・GPSききはスマホなどで操作することになるのですが、このアプリの使用感はメーカーによって様々です。こればかりは一度使用してみないとわからない部分も大きいのですが、高齢者徘徊向けに専用開発されたアプリが使い勝手も考えられていて良いでしょう。
※iTSUMO(いつも)は高齢者徘徊用に専用アプリを開発しており、高齢者でも使いやすいように直感的にわかるように作成しています。- ポイント7:購入orレンタル
購入かレンタルか、GPS機器は市販品としてもたくさんあり、購入できるものも多くあります。一方で、「徘徊」は延々続くものではなく、必要な時だけ使用するレンタルという方法もあります。また介護保険で利用できるものもありますのでしっかり調べることが大事です。
※iTSUMO(いつも)の場合、介護保険併用でレンタル利用できますので、費用的にも抑えることができ、ケアマネジャーさんや地域の福祉用具店などが親切丁寧にサポートしてくれる安心もついてきます。- ポイント8:行政の補助の有無
行政の補助があるかどうか・・・お住まいの地域によっては、GPSの補助や、専用シューズの購入補助などを事業として実施している自治体があります。一度ご確認されるのが良いでしょう。
※iTSUMO(いつも)の場合も、様々な自治体で補助や助成制度の対象になっています。- ポイント9:紛失時のサポート
失くしてしまったときどうなるか・・・GPS機器はとても小さなものですので、誤って失くしてしまうことは想定されます。その対策を考えられている機器が良いでしょう。
※iTSUMO(いつも)の場合、充電が残っている状態であれば、端末からブザーを鳴らすことができるので、探すことができます。また、万が一見つからなかった場合も、介護保険でレンタルしていただいているので、紛失時も購入と比べると安価で機器の交換が可能です。- ポイント10:継続して介護ができるか
これはGPSというよりかは、ご家族様のお話になるのですが、ご家族で介護(見守り)を続ける意思があるかも大きなポイントとなります・・・GPS機器にできることは「位置を探す」だけです。そのあとお迎えに行かなければ「徘徊」は終わりません。ご家族に「在宅で継続して介護を続けていく」というご意思がなければ、GPS機器の位置情報は無駄な情報になります。まずはご家族間で確認しましょう。
※iTSUMO(いつも)の場合、ケアマネジャーが必ず担当しますので、ご家族様にこの「ご意思」について確認させていただいたうえでご提案させていただきます。どのポイントが重要化を見極めて選ぶ
最後に、いろんなGPS機器がありますが、ご自分(ご家族)にとってどのポイントが重要かをしっかり確認して、機器選択を行ってください。
※iTSUMO(いつも)は高齢者徘徊用に開発しているため、ある意味フルサービスの機器です。
そこまでは必要ないというご家族もおられて当然ですので、見守りをされるご家族同士で話し合って、必要な機能がある機器を上手に選んでいただけたら良いと思います。資格:介護福祉士・介護支援専門員・福祉住環境コーディネーター2級
措置時代から介護業界で働き(アラフィフ)、介護保険制度施行後もずっと介護現場に携わってきている。特別養護老人ホーム・有料老人ホーム・グループホーム・通所介護(デイサービス)・小規模多機能型居宅介護・居宅介護支援(ケアプランセンター)・福祉用具貸与での勤務経験を有し、介護事業所の立ち上げに数件参画。
現在は福祉用具の企画コンサルタントとして、新商品の開発などに携わる傍ら、これまでの介護現場の経験をもとに、介護の楽しさややりがいなどを伝えていきたいと考えている。
研修:認知症介護実践者研修・認知症実践介護リーダー研修・認知症対応型サービス事業管理者研修認知症の徘徊見守りGPS iTSUMOについて問い合わせる