わたしが介護を志して約30年、福祉用具の進化は、時代の進化に比べると「遅い」と感じています。
もちろん新しい技術や、素材や、工夫などは見られ、30年前のものとは比べるべくもないのはわかります。でも、30年前のあの全てがアナログだった時代、LPレコードがカセットテープになり、CD、MD、MP3と変わり、いまではデータすら配信になっています。そう考えると福祉用具の進化はそれほどでもないのかな・・・と。
福祉用具の変化、今後はIT化と省力化と予想
でも、今後はおそらくびっくりするくらいの変化が起こるような予感がしています。それはIT化と省力化です。とにかく介護する人が少ない状況が続きますので、これまでのように人の力でどうにかする時代ではなくなりつつあります。(ちょうど今その過渡期なのかな)介護保険対応の認知症徘徊見守りGPSのiTSUMO もIoT機器なので、その波に乗っているのかなと思うのですが、そんなレベルではなく、もっといろんな分野でIoTの波が来ると思います。例えば車いすの概念も変わり、立位型車いすや、歩行型車いす、高速移動型車いすなど(これを車いすと呼ぶのか?)新しいものが生まれるのではないかと。
トイレも変わり、排泄すると数秒で処理が終わり、水と無臭の可燃物に分解できたり、機能低下した部位に装具を付けることで、電気刺激によるサポートが行われ、健常な状態を維持できたり・・・。ドラえもんの世界が現実に近づいてく感じですね。
福祉用具の未来について
実際、認知症で徘徊されている方をiTSUMOを使ってスマホで位置情報を確認してお迎えに行くという、一昔前ではあり得なかったことが現実として利用されているわけですから。
わたしは、健常者・障がい者・高齢者・・・誰かにとって便利とかではなく、だれもが便利に生きやすい社会生活を送るために必要な道具、それが福祉用具の未来だと思います。
ですので認知症徘徊見守りGPSのiTSUMOはもちろん、そういう機器の開発に今後も携わっていきたいなと考えています。
資格:介護福祉士・介護支援専門員・福祉住環境コーディネーター2級
措置時代から介護業界で働き(アラフィフ)、介護保険制度施行後もずっと介護現場に携わってきている。特別養護老人ホーム・有料老人ホーム・グループホーム・通所介護(デイサービス)・小規模多機能型居宅介護・居宅介護支援(ケアプランセンター)・福祉用具貸与での勤務経験を有し、介護事業所の立ち上げに数件参画。
現在は福祉用具の企画コンサルタントとして、新商品の開発などに携わる傍ら、これまでの介護現場の経験をもとに、介護の楽しさややりがいなどを伝えていきたいと考えている。
研修:認知症介護実践者研修・認知症実践介護リーダー研修・認知症対応型サービス事業管理者研修