私は仕事柄、たくさんの方のお葬式に参加させていただきました。施設内で突然亡くなられ、司法解剖後にお葬式という方や、ご家族がどなたも来られない(おられるのですが)さみしいお葬式、かと思えば、斎条の外にまで入りきらない車が並ぶほどの盛大なお葬式まで、本当にいろいろだなあと振り返ります。
何がこの差なのかはわかりません。ご本人なのかご親族なのか、行いが良い悪いなのか、ともかく、われわれ職員としてお伺いするときには、やはり悲しいお別れではあるのですが、その方の本当のというかこれまでの集大成を見るような感じはします。
我々が関わるのは要介護状態になられてからで、それ以前にはしゃきしゃきとお母さんであったりお父さんであったり、また、お姉さん、お兄さんの時代もあり、赤ちゃんの頃もあるわけです。当たり前のことですが、要介護状態のご本人しか見たことがないので、その後ろにある大きさというか重さというか、一人の人をお世話する事の重大さというか、そんなものを感じます。
そして、同時にその方にもっとこんなことができたのではないか、という後悔が押し寄せ、それを、次のご利用者に向けて、次は後悔しないような介護がしたいと、決意を新たにするわけです。
人にかかわる仕事はたくさんありますが、私は高齢者介護が一番良い人生経験ができると思います。