※(本来は徘徊には目的もなく歩き回るなどという意味があり、認知症の方の行動とは違うのですが、ここでは一般名称として徘徊という言葉を使用しています)
認知症による徘徊の兆候を見分ける方法として、わたしの経験上、以下のような点が挙げられます。
1.いつもの道で迷う
認知症になると、家や周りの環境がわからなくなっていつも通っている道でも迷うことがあります。
2.季節や時間の認識が混乱する
認知症になると、季節や時間の感覚が混乱し、夏か冬か、朝か夜かを間違えたり、自分がどこにいるのか分からなくなったりすることがあります。
夏に厚着をしてみたり、夜におはようと起きてきたり
3.いつもと違う事に対して混乱する
認知症になると、日常生活のルーティンから外れると混乱し、意図せずに家を出たり、家に戻らなかったりすることがあります。
4.不安や緊張が高まる
認知症になると、不安や緊張に敏感になり、いてもたってもいれなくなり徘徊することがあります。
5.水分不足や薬の副作用
認知症になると、薬の管理や水分の管理がうまくできず、副作用が出たり、混乱することで徘徊することがあることがあります。
どれか1つでも当てはまれば、まずは専門医に受診し、きっちり診断されることが一番です。
むかしは認知症になると人生が終わる ようなことを言われたこともありましたが、今は早期発見により病状の進行を遅らせる方法も確立してきています。
あくまで『病気である』という認識のもと、本人もご家族もどう向き合っていくかという視点で良いケアを目指していきましょう。

資格:介護福祉士・介護支援専門員・福祉住環境コーディネーター2級
措置時代から介護業界で働き(アラフィフ)、介護保険制度施行後もずっと介護現場に携わってきている。特別養護老人ホーム・有料老人ホーム・グループホーム・通所介護(デイサービス)・小規模多機能型居宅介護・居宅介護支援(ケアプランセンター)・福祉用具貸与での勤務経験を有し、介護事業所の立ち上げに数件参画。
現在は福祉用具の企画コンサルタントとして、新商品の開発などに携わる傍ら、これまでの介護現場の経験をもとに、介護の楽しさややりがいなどを伝えていきたいと考えている。
研修:認知症介護実践者研修・認知症実践介護リーダー研修・認知症対応型サービス事業管理者研修