認知症の徘徊に備える「GPS機器貸与サービス」とは?
認知症の症状のひとつに「徘徊」があります。本人は目的があって歩いているつもりでも、方向感覚を失い、知らない土地に迷い込んで自宅に戻れないことも少なくありません。
そのリスクを減らすために、多くの家族が導入を検討するのがGPS見守り機器です。
実はこのGPS機器、自治体によっては無料または低額、もしくは助成してもらい貸し出すという制度があることをご存知ですか?
この記事では、「GPS機器貸与サービス」の概要から申し込み方法、利用のメリットや注意点まで、わかりやすく解説します。
そもそも「GPS機器貸与サービス」とは?
自治体が認知症の高齢者やその家族を支援する目的で、GPS機器端末を貸し出すサービスです。
これにより、本人が徘徊してしまった場合でも、スマートフォンやパソコン等で現在地を把握し、早期に発見・保護することが可能になります。
「GPS機器貸与サービス」の特徴
1.自治体が契約しているGPS事業者の機器の貸し出ししてくれます
2.利用料・機器代が無料または一部補助されます
3.専用アプリやWeb上で居場所を確認することができる
「GPS機器貸与サービス」の利用対象者は?
各自治体によって若干異なりますが、一般的な条件は以下のようなものです
1.市区町村内に住民登録があること
2.認知症または認知症の疑いがある高齢者で、徘徊の恐れがある
3.在宅介護中または独居の高齢者
4.本人や家族がサービス利用に同意していること
ご利用までの流れ(一般的な手順)
1.地域包括支援センターや自治体窓口に相談
まずは地域包括支援センターや自治体の介護福祉課等(自治体により名称は様々)に相談。対象者かどうか確認します。
※iTSUMO(いつも)の貸し出しができる自治体もあります。
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2.申請書の提出
必要書類(申請書・同意書など)を記入し、提出します。
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3.サービス内容の説明・契約
GPS機器の種類や使い方、利用規約などの説明を受けます。場合によっては、事業者との簡単な契約もあります。
※iTSUMO(いつも)の場合、担当福祉用具店がご自宅まで伺い、丁寧にご説明させていただきます。
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4.端末の受け取り・設定
機器が手渡される場合と、委託業者が初期設定・使用方法の説明してもらえる場合などがあります。
※iTSUMO(いつも)の場合、担当福祉用具店がご自宅まで伺い、設定や設置を行います。
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5.サービス開始!
日常的な見守りが始まります。位置情報はスマートフォンやパソコンから随時確認可能です。
※iTSUMO(いつも)の場合、役割分担を福祉用具店がご提案させていただきます。
「GPS機器貸与サービス」の主なメリット
1. 金銭的負担が少ない
市販のGPS機器は本体価格+月額通信費がかかりますが、貸与サービスは無料または月数百円程度で利用できるケースが多く、家計に優しいです。
2. 災害や非常時にも安心
GPSがあれば、地震や台風で離れ離れになった場合にも、居場所を把握できる可能性があります。
3. 地域連携がしやすい
自治体によっては「徘徊SOSネットワーク」と連携しており、GPS情報を活用した地域ぐるみの捜索体制が整っている場合もあります。
4. 機器の交換・故障時も安心
万が一の故障やバッテリー不良にも、自治体が対応窓口となるため、自己負担で買い直す必要がありません。※ただし、使用方法によっては実費がかかる可能性もあります。
注意点・確認しておきたいこと
利用期間や更新ルール:期間制限がある自治体もあります。更新の必要があるか事前に確認しましょう。
位置情報の精度:建物内や地下では精度が落ちることがあります。複数手段の併用が理想です。
家族の協力が必要:GPSはあくまで補助ツール。日常の声かけや見守りとの併用が効果的です。
GPS貸与サービスはすべての自治体で実施されているわけではありません。
まずは「〇〇市 認知症 GPS 貸与」などのキーワードで検索するか、お近くの地域包括支援センター・自治体の護福祉課等に直接問い合わせてみましょう。
※サービスによっては、機器について丁寧な説明が受けられない場合もあります。使いこなせないと判断された場合、iTSUMO(いつも)の利用をご検討ください。
まとめ
GPS機器貸与サービスは、認知症による徘徊の不安を少しでも軽減し、家族と本人の安心を支える大きな力になります。
高価な機器を買わなくても導入できるこの制度を、活用しない手はありません。
まずは相談から。
「備え」から「安心」への第一歩を、今、踏み出してみませんか?
※お住まいの自治体でGPS機器貸与サービスがない場合、介護保険併用でのiTSUMO(いつも)の利用をご検討ください。

資格:介護福祉士・介護支援専門員・福祉住環境コーディネーター2級
措置時代から介護業界で働き(アラフィフ)、介護保険制度施行後もずっと介護現場に携わってきている。特別養護老人ホーム・有料老人ホーム・グループホーム・通所介護(デイサービス)・小規模多機能型居宅介護・居宅介護支援(ケアプランセンター)・福祉用具貸与での勤務経験を有し、介護事業所の立ち上げに数件参画。
現在は福祉用具の企画コンサルタントとして、新商品の開発などに携わる傍ら、これまでの介護現場の経験をもとに、介護の楽しさややりがいなどを伝えていきたいと考えている。
研修:認知症介護実践者研修・認知症実践介護リーダー研修・認知症対応型サービス事業管理者研修