あまり聞きなれない言葉かと思いますが、老人ホームやデイサービスなどではよくみられます。
夕暮れ症候群とは?
認知症の方は夕方になるとそわそわして「家に帰りたい」となることを夕暮れ症候群(トワイライトシンドローム)と呼びます。
このとき、「帰宅願望」や「徘徊」なんて言われ方をされる場合もあるのですが、ほとんどの場合きちんと理由があります。
夕暮れ症候群の傾向
まず、症状の出る方は女性の方が多く、傾向としては、若いころからきちんと「主婦」をされてきた方が多いように思います。つまり、夕方になると家で洗濯物や食事の準備をして、子供の世話をして旦那様の帰りを待っていた。そういう生活を続けてこられた方が、認知症になってもそのリズムが染みついていて、夕方になるとそわそわしてしまうのです。
夕暮れ症候群を見守る(介護)のコツについて
ご本人にとっては「暗くなるまで外で過ごしてしまったすぐにでも帰らないと」という状況ですので、説得しようとしてもなかなか難しく、どんどん興奮されてしまうという事がよくあります。
そして外に飛び出してしまい介護職員からは「徘徊」と言われてしまう。
そういう時は、少し時間をおいて対応することが大切で、焦りや興奮という状況が収まると、現状を思い出されます。そうすると「あれ?ここはどこ?」となり、今度は不安が大きくなります。
見守る(介護)のコツは、それまではできるだけそっとしておき、空気感が変わったタイミングを見て声をかけるのです。それを可能にするのが認知症徘徊感知機器iTSUMOなんです。
しばらくは位置検索だけを行い、居場所の把握はしておき、そろそろかという時にお迎えに行くのですが、まずは後ろからそっと様子を見て、きょろきょろし始めたら偶然出会ったような雰囲気で声を掛けます。そうすると笑顔で一緒に戻っていただける!(時もあります)
この先は時代が変わり、共働きが当たり前、家の中のパワーバランスも変わりつつあるため、もしかしたら、夕暮れ症候群になる人も減るのかもしれませんね。
資格:介護福祉士・介護支援専門員・福祉住環境コーディネーター2級
措置時代から介護業界で働き(アラフィフ)、介護保険制度施行後もずっと介護現場に携わってきている。特別養護老人ホーム・有料老人ホーム・グループホーム・通所介護(デイサービス)・小規模多機能型居宅介護・居宅介護支援(ケアプランセンター)・福祉用具貸与での勤務経験を有し、介護事業所の立ち上げに数件参画。
現在は福祉用具の企画コンサルタントとして、新商品の開発などに携わる傍ら、これまでの介護現場の経験をもとに、介護の楽しさややりがいなどを伝えていきたいと考えている。
研修:認知症介護実践者研修・認知症実践介護リーダー研修・認知症対応型サービス事業管理者研修