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戦争体験

私の祖父は明治生まれで、戦争では陸軍として満州に行っていたそうです。ただ、私が小さいころに亡くなりましたので、戦争の体験は直接聞いたことがありませんでした。

でも、老人ホームに就職してから、戦争体験のある方がまだたくさんおられましたので、それぞれの戦地での様子や、日本国内のその当時の様子、激戦地からの帰還された方、満州から終戦後に戻ってこられた方など、本当にいろいろ聞かせてくださいました。

一番印象に残っているのは、重度の認知症で、ご家族の顔も間違える方でした。この方は海軍に所属しておられ、当時駆逐艦の信号手をされていたそうです。

私に熱心に手旗信号を教えてくださいました。その時の目のキラキラが今も忘れられません。

戦争は良くないことです。認知症になっても忘れない強烈な印象だったんだろうな、とか、年齢を考えると20歳前後のはずですので、青春を戦争に捧げることになった不幸なんかを考えさせられました。でも、生き残って、こうして伝えていただけたことで、また次につながっていくということも実感し、私もつないでいかないといけないと、改めて感じました。

総合事業について

介護保険制度はほぼ毎年と言っていいくらいに見直されており、なかでも3年ごとに大きく見直すと決まっています。

毎回3年ごとの改正で大転換があるのですが、前々回の改正で出たのが総合事業です。これは、これまで介護保険制度でサービスを提供していた要支援1,2の方に対する訪問介護(ホームヘルパー)と通所介護(デイサービス)を市区町村の独自の事業に移行していきましょうというものです。

介護保険財政から市区町村の財政に移行するということで、財政難の市区町村は、猛反対しました。また、サービス提供事業者も、市区町村によって介護報酬が変わることになり、(しかもかなり安くなる)ことから、事業の継続ができないと猛反対しました。

しかし、すでに昨年度までにすべての市区町村で総合事業に移行し、その結果、サービスの撤退が相次ぎ、市区町村によって、サービスのバランスの不均衡が過去最大になっています。

どうも、都市部を中心に考えてしまう傾向があるようですね。

日本の都市部は人口は多いかもしれませんが、面積で見るとほんの一部ですので、平等に介護を受ける権利を国の義務にしてもらいたいですね。

地域密着型とは

介護保険のサービスって全国どこでも受けることができると思われている方もいると思いますが、そういうサービスもあれば、地域限定というサービスもあります。それが、地域密着型サービスです。

例えば、グループホーム(認知症の方の共同生活施設)、小規模のデイサービス、定員の少ない特別養護老人ホームなどです。

このメリットは、住所地の方しか利用できませんから、幼馴染など古くからのお友達が、同じ施設を利用できる(広域の施設と比較すると利用の待機が少ない)ことなどですが、

デメリットは、住所地が遠方(息子さんのところに引っ越したが住民票は変えていない)などの場合、利用できない場合が多い(窓口で相談します)、市区町村の端にお住いの場合、近い施設が他市区町村の場合があり、近い施設が利用できないなどがあります。

また、地域差が大きいことも問題で、各市区町村に欲しいサービスがない場合は、基本的には利用できません。(市区町村に相談し、特例的に認めていただける場合もあります)

介護保険制度が始まり、いろんなサービスが増えたり分かれたりして、どんどん複雑化しています。利用する側がしっかり勉強して、上手に使わないと思わぬ障壁がある場合があります。

写真について

スマホが普及して写真を撮ることが増えたのではないでしょうか?

介護施設では写真をかなりたくさん撮ります。特にイベントなどの時は、日常とは違った良い顔をされるので、シャッターチャンスがたくさんあるのです。

あるご家族は、「家では写真なんて撮らない」「おじいちゃんここではこんなにいい顔しているの!?」「いい思い出になるわ」と話してくだいました。

ご利用者が亡くなられたとき、お通夜に寄せていただくと見覚えのある写真が遺影になっていました。思わず涙が・・・。

もちろん、そんなつもりはなく撮影させていただいているのですが、後日そのご家族から「おじいちゃんは、すごく楽しみに通って(デイサービス)いて、あんな顔を家で見たことないから使わせてもらったのよ、ありがとう」とおっしゃっていただきました。  介護の仕事はしんどい時も多いですが、こういう普通の仕事では絶対にないような貴重なことを経験させていただけます。

パーソンセンタードケア

イギリスで提唱された言葉で、パーソン(人)センター(中心)ケア(介護)で、ご利用者を中心にして、もう一度介護を見直してみないか?という提案です。

今では、わりとそういった類の言葉は耳にするようになってきましたが、提唱された1980年代では、まだまだ介護という概念も固まっていない時代でしたので、先を行く考え方でした。

さて、実際の介護現場で、パーソンをセンターにおいてケアができているのか?これは日々検証する必要があるのですが、じつはまだまだできていないのが実態です。

もちろん、わがままをすべて聞くという意味ではありませんので、傍若無人なご利用者に召使のような介護士というイメージではありません。

特に施設などでは集団生活を行う以上、取り決め(ルール)は存在します。それは守っていただくことが原則で、それ以外の自由であったり、やりたいことへのサポートであったり、その人がこれまで暮らしてきた生活のイメージを大事にする姿勢が介護する側には必要なのですよ。ということです。

ユニットケアについて

賛否あることを承知で書きます。私はユニットケア(少人数での個別ケア)が嫌いです。いろんな人がいろんなメリットを提言し、新規で建築される老人ホームはほぼこのユニット型と呼ばれる施設です。

一番のメリットは、少人数で家庭に近い環境で手厚い介護が受けることができる。ということなのですが、そもそも、家庭に近い環境って何ですか?そこに家族は居ません。しかも多くの場合、職員の人数が足りず走り回っていて、ゆったりした空気はなかなかありません。(これは職員の配置上の問題もあり、ユニットごとに配置する必要があるのですが、例えばお風呂の介助を行っているとフロアには介護者が誰もいなくなるとか、そんなことが起こります)

従来型の大人数ケアでは、デメリットもたくさんあり、プライバシーが保てないという問題が大きいと言われます。でも、そうなんでしょうか?全員が個室を望むのでしょうか?

私がいた多床室の特養では、幼馴染のおばあちゃん達が大部屋で楽しそうに、またお互い困ったときは助け合って生活されていました。とても微笑ましいと感じたことを覚えています。  きっと、どちらかが正解、どちらかが間違いではなく、その地域や、その時によって変化するものだと思います。その時に柔軟に対応できるような制度設計が必要なのではないでしょうか?(財政が厳しい介護保険において、ユニットケアはかなりの浪費家ですよ)

介護福祉士について

私は介護福祉士10期生です。というと、古い!と思われるか、あれ?それくらいしか歴史がないの?と思われるか、是非後者であってほしいですが、1987年が第1期なので、まだまだ歴史の浅い資格なのです。

ちなみに、看護師は1915年「看護婦規則」まで遡りますので、歴史の深さは全く違います。しかも、看護師は業務独占と言って、例えば注射などは看護師しかできません。

それに対して、介護福祉士は名称独占と言って、業務上の専門性は明確に示されていません。(自宅で家族が介護をできるのはそのためです)

そのため、当時から「介護福祉士は意味があるのか?」という議論がされてきました。

しかし、私は言いたい。今、国では訪問介護(ホームヘルパー)を介護福祉士以上にしようとしていますが、そういうことではないのでは?と

私が学んだことは、介護福祉士は「介護士」ではなく「福祉士」であるということです。つまり、要介護者に対しての専門性を発揮してよい介護を行うのが介護士とすると、要介護者を取り囲むいろいろな方や物や制度を調整して、より良い介護ができる環境を整えることが介護福祉士の本来の仕事ではないのかと。

でも、今やその役割はケアマネジャーに充てられており、余計に影の薄くなった介護福祉士という国家資格を存在感を出すためだけに無理やり専門性を付けていっているように思います。

本来の介護福祉士像に近づける日は来るのでしょうか・・・。

資格について

私はいわゆる資格マニアではありません。必要に応じて必要な資格を取ります。

意外と知られていないことですが、デイサービスや施設内で介護の仕事をするのに、資格は必要ありません。

ホームヘルパーとしてご自宅に訪問する仕事をするには、もうじき介護福祉士以上の資格が必要になります。

ケアプランを立てるにはケアマネジャーの資格が必要です。ケアマネジャーの受験には介護福祉士や看護師などの合格から5年以上の実務経験が必要です。

介護福祉士は国家資格ですが、ケアマネジャーは都道府県の公的資格です。

最近では、介護職員初任者研修や介護事務、レクリエーション介護士など複雑化しています。それぞれに専門性が違うので、全部勉強するのが良いのでしょうが、勉強しすぎて仕事をする時間が無くなってしまいそうです。

必要なものや、興味のあることから始めていくのが正解かと思います。  また、一度始めると結構長い期間かかるものもありますので、一度相談されたほうがいいと思います。(わたしも相談に乗りますよ)

良い介護施設の選び方2

①では見学時間・臭い・ご利用者の服装 をご紹介しました。今回はそれ以外の重箱の隅をつつくようなポイントです。
 ・職員さんとご利用者の会話の場面 目線があっているか、話し方に温かみがあるか
 ・施設見学で全て見せてくれるか(バックヤードも是非見せてもらってください)
 ・施設内に生きた植物があるか。手入れがされているか
 ・廊下の壁の下のほう、車いすの傷がつきやすいのですが、これがどの程度か
 ・職員さん同士の会話から、温かみを感じるかどうか
 ・出入り業者さんに対して冷たく当たっていないか
 ・
施設を探すとき、現在介護の必要がどの程度あるのかによって、例えば、現在は高齢だけど元気な状態とすると、あまり介護を重視しないで選んでしまいがちです。しかし、将来的に介護が必要となった時や万が一認知症になった時、退所を求められる施設もありますので、事前にそのあたりまで詰めておく必要があります。

また、ご夫婦で入るべく探されている場合などは、どちらかが亡くなられたりすると部屋を変わる必要がある場合などもあります。

良い介護施設の選び方1

みなさんは老後をどこで過ごされる予定ですか?自宅で家族に見守られて・・・という方が圧倒的に多かった2、30年前とは違い、最近では積極的に老人ホームなどの施設を選択されるケースが増えてきています。

では、良い施設と悪い施設の見分け方は?

ポイントはたくさんあるのですが、一番はご自分で訪問されて、違和感が少ないところです。長く住むことになりますので、常に背伸びはしんどいですし、自分の嗜好に合わないところは苦痛になります。

そういった個別の部分は置いておいて、介護の質や、職員さんのスキルを見分けることも重要ですので、そんなお話です。

まず、いつでも見学を受けてくれるのかどうか。極端な時間指定をされる場合は注意です。

(見学なので、施設長など責任者でなくても対応できるのが当たり前です)

次に、異臭がないかどうか。特に汚物のにおいはすぐに処理をすると消えますが、しばらく放置しているとちょっと酸っぱい感じのにおいになります。これがすると、清潔面を疑います。

そして、ご利用者の服装を見てください。今どきは統一の服を用意されているケースは減ってきていますが、ご利用者の服がおしゃれに着こなしておられるか、汚れがひどくないかなどがポイントになります。まだまだありますので、また次回・・・。